2007年産(平成19年産)最上流米の収穫後1か月、大役を終えた田んぼは、暖かい日をあびながら、ゆっくり休んでいる。イネの切り株からは「ひこばえ」がはえている。
掘り返し、稲わら・もみ殻・刈り草を鋤(す)きこむ。
地中の微生物たちが、有機物と酸素をたっぷり得て活発に活動し、来年のための土をつくってくれる。
水を張った田んぼのあぜに両生類(カエル?)が卵を産みつけている。
鳥のあし跡。活動し始めたカエルや水生昆虫を食べに来たらしい。
水を張った田に新しい生命を注入した。あるかないか分からないくらいひ弱い。
これがわずか4か月で収穫できるほどに育つと思えるだろうか。
ぬるんだ水の中で、恋するイモリふたり?
こちらは、水の中でじっとしているカニひとり?
イネがある程度大きくなったら、田んぼから水を落として、地割れができるくらいまで干す(中干し)。これで根に酸素が供給される。
水がなくなると、根は、自分の役割(水を吸う)に目覚めて、地中深く伸び始める。(中干しをせずに根を甘やかすと、サボって伸びない。これは生命の鉄則?)
日差しが強く、気温が高くなってきた。
イネは緑が濃くなり(これは葉緑体がたくさんある証拠)、盛んに光合成をして、どんどん育つ。
穂が出て、穂に白い物が見える。これがおしべ。花が咲いた!
イネは自分の体を大きくするための成長(栄養成長)の段階から、実をみのらせ種子をつくって子孫を残すための成長(生殖成長)の段階に入った。
穂にデンプンが蓄積されるとともに、重くなり、頭(こうべ)を垂れてくる。
黄金色に色づいて、いよいよ刈り取りの日を迎えた。よくもここまで育てくれた!
そして、この日、収穫が終わった。
収穫した籾(もみ)をこれから乾燥し、籾殻を外して(臼挽き)、玄米にする。
玄米で保存し、食べる前に白米にする(精米)。