〈天地人式〉成長促進法の成長エンジンは、〈自分はひとまわり大きくなった〉という成長のよろこびであり、そのよろこびから出てくる〈自分は成長できるんだ〉という自信であり、〈もっと成長しよう〉というやる気と勇気です。「自分はすごい」から成長するのです。――自分を自分以外のものと比べるのではなく、過去の自分自身と現在の自分自身を比べて「自分はすごい」ことを知るのですから、まったく一人っきりでも成長しますし、自分が一番になってもなお成長しつづけます。
〈天地人式〉の成長エンジンは、自分の内面の深い意志、根元的な欲望に根ざしています。
さらに言えば、自分の内面の底がぬけたところに広がる宇宙と、そして、その宇宙の歴史と、調和・共鳴するものです。
このような〈天地人式〉成長促進法の成長エンジンに対して、次のような成長エンジンもあります。
自分を他の人と比べてみて、「自分はあの人よりおとる」「自分はだめだ」と思われるとき、「自分もあの人のようになりたい」という気持ちがわいてくることがあります。また、〈まだ達成されていない目標〉をかかげ(当てがわれ)、それを基準にして見て「自分はおとる」「自分はだめだ」と思いこみ(思いこまされ)、「頑張らなければならない」という気持ちがわいてくる(気持ちにさせられる)ことがあります。――「自分はだめだ」という自覚が成長エンジンとなるのです。
この成長エンジンは、比べる相手がないところでは、はたらきようがありません。だから、一人っきり(単独)では、成長できません。
また、この成長エンジンは、「自分はだめだ」と自覚することで成り立つのですから、自分が一番になったり目標を達成したりしてしまったら、はたらかなくなります。
1990年代、日本は、世界一になったと思ったとたんに、行き先を見失ってさ迷いはじめ、成長できなくなりました。成長するためには、第二位以下でなければならないようです。
このように考えれば、この成長エンジンは底の浅い、軽薄なものであることがわかります。
自分を他の人と比べて、「あの人にはとうていかなわない」という、あきらめの気持ちになることもあります。また、〈まだ達成されていない目標〉をかかげ、それを基準にして自分を見て、「とうてい無理だ」という、あきらめの気持ちになることもあります。――このように、「自分はだめだ」という自覚は、成長のさまたげとなることもあるのです。
このように考えれば、この成長エンジンはひ弱なものであることがわかります。
天地人研究所は、上の二つの成長エンジンのうち、はっきり前者を選びます。
自分のすごいところだけ見ればいいので、わるいところを見る必要はありません。――わるいところを見ないことで、気持ちの落ちこみや迷いがなくなり、成長にすっきり集中できます。すごいところを見ることで、自信がわき、やる気が高まります。そして、結局のところ、大きな成長が実現するのです。大事なのは(動機から得られる)結果です。