天地人研究所 株式会社
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平成24年度の中学3年〈理科〉――教科書配布の問題点と予想される対策
■ 中3の問題点
平成24年度の中学3年は、前年(中2のとき)もらった旧教科書(下巻)を使いつつ、新指導要領の学習内容を勉強することになるので、いくつかの支障が出ます。文部科学省の「中学校学習指導要領」第2章第4節〈理科〉などをもとにすると、具体的には、新指導要領で追加される次のような学習内容が、子どもの手持ちの旧教科書に載っていないという問題が生じます。
理科の旧教科書は5種類(東京書籍・啓林館・大日本図書・学校図書・教育出版)発行されており、以下の欠落内容の一部を〈発展〉として取り上げているものがあります。
- 第1分野・下巻の範囲
- 物理の領域で、「力がつり合う条件」「力の合成と分解」「自由落下」「仕事」「仕事率」「仕事の原理」「物体のもつエネルギーの大小は、それが他の物体にする仕事の大小ではかられること」が欠落する可能性があります。――「力が運動の向きを変えること」は、等速円運動のようなものにまでは踏みこまないとすれば、今のままで足ります。
化学の領域で、「水溶液に電流が流れるものと流れないものがあること」「原子のつくり――電子と原子核(陽子・中性子)」「イオンのでき方」「イオン式」「化学電池の電極で起こる反応」「代表的な電池」「酸と水素イオン」「アルカリと水酸化物イオン」「pH」「中和反応で水と塩ができること」「水に溶ける塩と溶けない塩」が欠落する可能性があります。
科学技術と人間の領域で、「熱の伝わり方」「エネルギーの利用効率」「放射線の性質と利用」が欠落する可能性があります。
中3の授業時間が週2.3コマから週4コマに大幅にふえ、新しい学習内容がたくさん、特に第1分野に追加されるため、どの旧教科書も欠落が非常に多く、使い物にならないと思われます。
- 第2分野・下巻の範囲
- 生物の領域で、「遺伝の規則性(分離の法則)と遺伝子」「遺伝子の本体としてのDNA」「遺伝子が変化すると形質が変化すること」が欠落する可能性があります。
地学の領域で、「月の公転と見え方」「日食・月食」「太陽系に惑星以外の天体が存在すること」「銀河系」が欠落する可能性があります。
自然と人間の領域で、「地球の温暖化」「外来種」「地球規模でのプレートの動き」が欠落する可能性があります。
東京書籍・啓林館・大日本図書の旧教科書・下巻を調べた結果はここをご覧ください。
■ 中3の問題点への対策
学習内容が手持ちの教科書に載っていないのは子どもにとって不都合が大きいため、何らかの措置がとられると思われます。具体的には、
- 教科書の欠落部分を補う補充資料を全員に配布する。
- 新教科書(下巻)を全員に配布する。(教科書の二重配布)
のどちらかですが、第1分野は欠落が極めて多いため、後者(教科書の二重配布)となる可能性が大です。第2分野は前者(補充資料の配布)でもよいかも知れません。
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