文部科学省は、学習指導要領の改定を2008年(平成20年)3月28日に告示しました。ここにいたる経過や、学習指導要領の切り替えにともなう様々な措置は、文部科学省の「新しい学習指導要領」のホームページなどに公開されています。
天地人研究所(株)は、公開された情報、長年の経験知などを手がかりに、情報をわかりやすく整理するとともに、半歩先を透視し、予想やそれにもとづく提案をします。
ご意見・ご要望などは、メールでこちらへお寄せください。
ここに掲載する情報には、事実と予想の二種があります。
事実については、誤りなきを期していますが、万一誤っていても、責任をおいません。
予想はあくまで予想であり、予想が実際と異なることとなっても、責任をおいません。
文部科学省は、2008年(平成20年)3月28日に「中学校学習指導要領」告示し、7月14日にその解説書を公表ました。
そのうちの移行措置に関係する部分を細かく検討し、わかりやすく整理し直して、次のページに示します。
「学習指導要領の分析――中学校〈理科〉の移行措置に関係する部分」
文部科学省は、2008年(平成20年)3月28日に「小学校学習指導要領」「中学校学習指導要領」を告示しました。
この新しい学習指導要領と現行の学習指導要領とを比較し、何がどう変わるかを、次のページに示します。
「学習指導要領の改定にともなう学習内容の変更点――小学校〈理科〉」
「学習指導要領の改定にともなう学習内容の変更点――中学校〈理科〉」
「学習指導要領の改定にともなう学習内容の変更点――中学校〈数学〉」
「学習指導要領の改定にともなう授業時間数の変更――中学校」
学習指導要領の改定にともなってどうして「移行措置」なるものが必要なのか(移行措置の目的)については、「学習指導要領の改定と移行措置」をご覧ください。
文部科学省は、2008年(平成20年)4月24日に移行措置の案(学習内容の案や授業時間数の案)を公表し、パブリックコメントを募ったあと、多少の修正を加えて、6月13日に移行措置(学習内容や授業時間数)を告示しました。
以下は、移行措置(6月13日に告示)の内容を分析し、わかりやすく整理し直したものです。
● 小学校〈理科〉の移行措置
● 中学校〈理科〉の移行措置
なお、以下は、移行措置の案(2008年4月24日に公表)の時点で、内容を整理・分析するとともに、問題点を指摘し、対策を提案したものです。
● 小学校〈理科〉の移行措置(案)をめぐって
● 中学校〈理科〉の移行措置(案)をめぐって
また、以下は、移行措置で新しく追加される学習内容に授業時間を何コマ配当するかについて、教科書会社の公表した案を一覧するものです。
● 新しい学習内容への授業時間の割り当て――中学〈理科〉
子どもの姿をとらえるための「目のつけどころ」が「学習評価の観点」と呼ばれるものです。
学習指導要領の改定にともなって、学習評価の観点も変わると思われます。どう変わるかを「新しい学習評価の観点の予想――〈理科〉」で述べています。
天地人研究所(株)は、文部科学省の「中学校学習指導要領案」について次の2つのパブリックコメントを提出しました。
・「物理と化学の学習順序について、および、中学理科の教科書の分冊の仕方について」
(提出日:2008年2月20日)
・「中学理科の移行措置の実施方法について」
(提出日:2008年3月6日)
また、文部科学省の「移行措置の案」について次のパブリックコメントを提出しました。
・「中学理科の移行措置および学習評価の観点について」
(提出日:2008年5月2日)
さらに、文部科学省の「高等学校学習指導要領案」について次のパブリックコメントを提出しました。
・「学習意欲が高まるしくみを学校教育に組みこむことについて ―― 〈うらやんで育つ〉から〈育って育つ〉への転換を」
(提出日:2009年1月21日)
最後に、文部科学省の「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループにおける審議の中間まとめ」(pdf・html)について次の2つのパブリックコメントを提出しました。
・「「より一層簡素で効率的な学習評価」を望む」
(提出日:2010年3月3日)
・「学校教育の総体においてPDCAのサイクルを回す」
(提出日:2010年3月3日)
以下は、文部科学省の移行措置(案)が公表される以前に、様々な可能性を検討したものです。
移行措置の期間中の授業時間数がどうなるかを予想するには、まず、学習指導要領の改定で授業時間数がどう変わるかをおさえる必要があります。「新旧学習指導要領の授業時間数――中学校」がそれです。
それにもとづいて、移行措置の期間中の授業時間数を予想したものが「中学校の移行措置――授業時間数の予想」です。
学習指導要領の切り替え時には、子どもに学習内容の欠落や重複が生じないように、手当てが必要です。それが「必要最小限の移行措置」(消極的な移行措置)です。以下は、小学校・中学校の理科、算数・数学に関する予想です。
「消極的な移行措置の予想――小学校〈理科〉」
「消極的な移行措置の予想――中学校〈理科〉」
「消極的な移行措置の予想――小学校〈算数〉」
小学校〈算数〉には「平成22年度へのしわ寄せ問題」があり、この難点をいくらか軽くしたものが次の予想です。
「消極的な移行措置の予想――小学校〈算数〉改良型」
「必要最小限の移行措置」の範囲をこえて踏み出し、新しい学習指導要領を積極的に前だおししようという動きもあります。特に中学校の理科と数学については、「必要最小限の移行措置」が2年間で足りるところを、実際には移行措置を3年間実施することになったので、新指導要領で新しく加わる学習内容が前だおしして追加されるのが確実です。
以下は、中学校の理科と数学に関する「積極的な移行措置」の予想です。
「積極的な移行措置の予想――中学校〈理科〉」
「積極的な移行措置の予想――中学校〈数学〉」
「積極的な移行措置」の範囲をこえてさらに踏み出し、新しい学習指導要領を2009年度(平成21年度)から最大限に適用しようとする大胆な動きもあるようです。
以下は、中学校の理科に関する「大胆な移行措置」の予想です。
「大胆な移行措置の予想――中学校〈理科〉」
中学〈理科〉の教科書は、1学年1冊とはなっていず、独特の分かれ方をしています。
その結果、学習指導要領の切り替え時(すなわち、旧教科書から新教科書へに変わる年)=平成24年度(2012年度)に難しい問題が生じ、それを回避するために特別の対策が必要になります。
どんな問題があり、どんな対策が必要なのかは、「平成24年度の中学〈理科〉の教科書――問題点と対策」をご覧ください。
このページには、この種の難問が将来にわたって起こらなくするための根本的な解決策も提案してあります。
難題が生じるのは、平成24年度の中学2年と3年です。各学年で、具体的にどんな問題があり、具体的にどんな解決策が考えられるかについては、以下をご覧ください。
「平成24年度の中学2年〈理科〉――教科書配布の問題点と予想される対策」
「平成24年度の中学3年〈理科〉――教科書配布の問題点と予想される対策」
新しい学習指導要領を積極的に前だおしする「積極的な移行措置」を行う場合には、平成21年度〜23年度に、上記とはまた別の難題が生じます。各年度で、具体的にどんな問題があり、具体的にどんな解決策が考えられるかについては、以下をご覧ください。
「〈積極的な移行措置〉での教科書配布の問題点と対策案――中学校〈理科〉」