天地人研究所 株式会社

天と地とその中にすむ人 ―― 天地人 ―― あめつちひと


―― 実生活のいろいろなところに成長のきっかけがある ――

学習指導要領の改定と移行措置

■ 学習指導要領は、改定されても、すぐには実施できない

文部科学省は、学習指導要領の改定を2008年(平成20年)3月28日に告示しました。ここにいたる経過や、学習指導要領の切り替えにともなう様々な措置は、文部科学省の「新しい学習指導要領」のホームページなどに公開されています。
学習指導要領が改定されると、それに基づいて、教科書・問題集その他の子どもが使う教材や、その教材に関連して教員が使う指導資料やが、新たに執筆・編集されます。――教科書だけは、さらに、文部科学省による検定とそれに基づく修正のプロセスが加わります。
このような一連の準備作業に3年から4年を要するため、すべての準備が完了して、小学生が新しい学習指導要領によって学びはじめる(新しい学習指導要領が学校の現場で完全に実施される)のは2011年(平成23年)4月から、中学生は2012年(平成24年)4月からになります。

■ 「移行措置」とは

新しい学習指導要領が完全に実施される直前の数年間、「移行措置」なるものが実施されます(普通は2年間ですが、例外的に3年間のこともありました)。

移行措置をする目的は、大きく次の2つです;

■ 「移行措置」の実際

文部科学省は、2008年(平成20年)4月24日に移行措置の案(学習内容の案授業時間数の案)を公表し、パブリックコメントを募ったあと、多少の修正を加えて、6月13日に移行措置(学習内容や授業時間数)を告示しました。
以下は、移行措置(6月13日に告示)の内容を分析し、わかりやすく整理し直したものです。
● 小学校〈理科〉の移行措置
● 中学校〈理科〉の移行措置

なお、以下は、移行措置の案(2008年4月24日に公表)の時点で、内容を整理・分析するとともに、問題点を指摘し、対策を提案したものです。
● 小学校〈理科〉の移行措置(案)をめぐって
● 中学校〈理科〉の移行措置(案)をめぐって
また、以下は、移行措置の案に関して5月2日に提出したパブリックコメントです。
● 中学理科の移行措置および学習評価の観点について

以下は、移行措置で新しく追加される学習内容に授業時間を何コマ配当するかについて、教科書会社の公表した案を一覧するものです。
● 新しい学習内容への授業時間の割り当て――中学〈理科〉


常在成長(じょうざいせいちょう) ―― いつでもどこでも成長できる



以下は、文部科学省の移行措置(案)が公表される以前に、様々な可能性を検討したものです。




―― 実生活のいろいろなところに成長のきっかけがある ――

■ 小中学校の理科と算数・数学で予想される移行措置

目的Bを実現するための移行措置

上の目的Bを実現するために移行措置として何をするか(学習内容の欠落や重複が起こらないように、学習時期をどうずらすか)は、新指導要領での学習内容と学習時期がわかれば、ほぼ正確に予想できます。
理科について、文部科学省の「小学校学習指導要領」第2章第4節と「中学校学習指導要領」第2章第4節に基づいて予想すると、次のようになると考えられます。
● 小学校〈理科〉の移行措置の予想 ―― 必要最小限の措置(消極的な移行措置)
● 中学校〈理科〉の移行措置の予想 ―― 必要最小限の措置(消極的な移行措置)
算数・数学について、文部科学省の「小学校算数科の内容の改善イメージ(案)」のホームページ「中学校学習指導要領」第2章第3節に基づいて予想すると、次のようになると考えられます。
● 小学校〈算数〉の移行措置の予想 ―― 必要最小限の措置(消極的な移行措置)

これには「平成22年度へのしわ寄せ問題」があり、この難点をいくらか軽くしたものが次の予想です。
消極的な移行措置の予想――小学校〈算数〉改良型

● 中学校〈数学〉の移行措置の予想 ―― 必要最小限の措置(消極的な移行措置)

目的Aを実現するための移行措置

上の目的Aを実現するために移行措置として何をするか(新指導要領で新たに追加される学習内容のどれを、前だおしして事前に追加するか)は、文部科学省の裁量範囲が極めて大きく、外からの予想はほとんど不可能です。――ただし、〈授業時間数が旧指導要領のままである限り、前だおしで追加できることはごくわずかである〉ことは断言できます。

特に中学の理科と数学は、新指導要領で学習内容が大幅にふえるのに対応して、授業時間数も大幅にふえます。文部科学省の「小学校学習指導要領」「中学校学習指導要領」で見られるように、例えば中3の理科は週2.3コマから週4コマに(74%も=2倍近くに)ふえます。くわしくは、下のページをご覧ください。
● 新旧指導要領の授業時間数 ―― 中学校
移行措置で新指導要領を積極的に前だおしして学習内容を大幅にふやすには、移行措置で授業時間数を変更して理科や数学の配当コマ数をふやす必要があります。しかし、そのためには、他の時間数をけずらなければなりません。――実際問題として、授業時間数について、具体的に何が可能なのでしょう。それは、ある程度予想することができます。
● 授業時間数の移行措置の予想 ―― 中学校

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2006)の結果などが影響し、算数・数学、理科の移行措置について、2008年(平成20年)2月15日時点で次のことが確実になりました;

  1. 理数の授業時間数を前だおしでふやし、新指導要領で追加される学習内容をなるべく早く導入すること。
  2. 中学校の理数については、 移行措置を(小学校の1年遅れでなく)小学校と同時に2009年度(平成21年度)から始め、2011年度(平成23年度)までの3年間実施すること。

このように理数を重視した場合、中学校の授業時間数の移行措置は、次のようになると予想されます;
● 理数を重視した場合の、授業時間数の移行措置の予想 ―― 中学校
また、中学理科と数学の学習内容の移行措置は、次のようになると予想されます;
● 中学〈理科〉の移行措置の予想 ―― 積極的な移行措置
● 中学〈数学〉の移行措置の予想 ―― 積極的な移行措置
さらに、新指導要領を2009年度(平成21年度)から最大限に適用しようとする大胆な動きもあるようです。その場合、中学理科の移行措置は、次のようになると予想されます;
● 中学〈理科〉の移行措置の予想 ―― 大胆な移行措置


常在成長(じょうざいせいちょう) ―― いつでもどこでも成長できる


会社概要  決算公告  事業内容

(c)2007, 2008 天地人研究所 株式会社  メールはこちらへ  天地人のトップ  サイトマップ