天地人研究所 株式会社
天と地とその中にすむ人 ―― 天地人 ―― あめつちひと
―― 実生活のいろいろなところに成長のきっかけがある ――
中学〈理科〉の「消極的な移行措置」の予想
■ 必要最小限のことのみをする「消極的な移行措置」
中学校の新指導要領は平成24年度から本格的に実施されます。
文部科学省の「中学校学習指導要領」第2章第4節〈理科〉をもとにすると、必要最小限の移行措置(子どもに学習内容の欠落や重複が生じないようにするための移行措置)には2年間が必要であり、具体的には次のようになると考えられます。
平成22年度
●中学1年 ← 新指導要領実施時の中学3年
- 「力がつり合う条件」「酸・アルカリ・中和・塩」を削除
- この内容は中学3年時に(新指導要領で)学習するので、中学1年のこの時点で学ぶ必要はありません。――学習の重複を避けるための措置です。
平成23年度
●中学1年 ← 新指導要領実施時の中学2年
- 「力がつり合う条件」「酸・アルカリ・中和・塩」を削除
- この内容は中学3年時に(新指導要領で)学習するので、中学1年のこの時点で学ぶ必要はありません。――学習の重複を避けるための措置です。
- 「種子をつくらない植物のなかま」を追加
- この内容は中学2年時に(新指導要領で)「生物の変遷と進化」を学ぶのに必要であるため、中学1年のこの時点で、植物について学習する機会をとらえて学んでおくのがよいと思われます。
●中学2年 ← 新指導要領実施時の中学3年
- 「酸化と還元」、「化学変化にともなう熱の出入り」を追加
- この内容は中学3年時に学習しない(新指導要領で中3から中2に移動する)ので、学習の欠落を避けるため、中学2年のこの時点で学んでおく必要があります。
- 「細胞」「植物細胞と動物細胞の違い」を追加
- この内容は中学3年時に学習しない(新指導要領で中3から中2に移動する)ので、学習の欠落を避けるため、中学2年のこの時点で学んでおく必要があります。
■ 問題点
平成23年度の中学2年は、学習内容の追加が多く、週3コマの時間配当では授業時間が不足する可能性が大です。
また、これは学習内容に欠落が生じないようにするための最小限の措置(消極的な移行措置)です。
文部科学省は中学校の移行措置を平成21年度から23年度までの3年間行うことを表明していますから、実際には、「理科の授業時間数をふやして、新指導要領で新たに加わる学習内容を追加する」積極的な移行措置が行われるでしょう。
●中学〈理科〉の「積極的な移行措置」の予想
常在成長(じょうざいせいちょう) ―― いつでもどこでも成長できる