2010・2011年度(平成22・23年度)の移行措置で中学2年〈理科〉に新しく追加される学習内容に授業時間を何コマ割り当てるかについて、教科書会社5社が示している案は次の通りです。――「東書」は東京書籍、「啓林」は新興出版社啓林館、「大日」は大日本図書、「学図」は学校図書、「教出」は教育出版の略。
大きな枠の中での各社の自由な工夫により、移行措置の実現方法がいろいろ多様に提案されつつあります。学校現場では、それらの案から自校の実状に最も近いものを選び出し、それをさらに改良する形で移行措置が行われることでしょう。
東書 | 啓林 | 大日 | 学図 | 教出 | ||
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電流が電子の流れであること | +2 | +2 | +1 | +2 | +2 | 電流が電子の流れであること |
電力量、熱量 | +2 | +1 | +2 | +3 | +3 | 電力量、熱量 |
直流と交流の違い | +1 | +1 | +1 | +1 | +2 | 直流と交流の違い |
酸化と還元 [註] | +3 | +3 | +4 | +3 | +6 | 酸化と還元 [註] |
化学変化と熱 [註] | +3 | +2 | +2 | +2 | 化学変化と熱 [註] | |
生物と細胞 [註] | +3 | +4 | +4 | +2 | +3 | 生物と細胞 [註] |
セキツイ動物の体の表面 | ±0 | ±0 | +1 | ±0 | ±0 | セキツイ動物の体の表面 |
無セキツイ動物のなかま | +4 | +3 | +4 | +2 | +2 | 無セキツイ動物のなかま |
生物の変遷と進化 | +4 | +5 | +4 | +4 | +4 | 生物の変遷と進化 |
水の循環 | +1 | ±0 | +1 | ±0 | ±0 | 水の循環 |
日本の天気の特徴 | +5 | +3 | +6 | +5 | +5 | 日本の天気の特徴 |
大気の動きと海洋の影響 | +2 | +3 | +2 | 大気の動きと海洋の影響 | ||
合 計 | +30 | +27 | +30 | +24 | +29 | 合 計 |
[註] 「酸化と還元」「化学変化と熱」「生物と細胞」は中3から降りてくる学習内容であり、現行教科書の下巻に載っているため、国の責任において作成・配布される『教科書補充資料』には掲載されません。ただし、「多細胞生物の組織と器官」は新内容であり、必要に応じて『教科書補充資料』に掲載されると思われます。
この一覧表は、2010年(平成22年)3月21日現在の公表資料に基づいています。
中学2年は、学習内容が大幅に増加すると同時に、授業時間数が年間で35コマ増加します。この事情を反映して、各社とも授業時間を年間で27〜30コマふやしています。
「セキツイ動物の体の表面」に明示的に授業時間を配当しているのは〈大日〉だけです。この学習内容を〈大日〉は現行教科書であつかっていず、他はあつかっているために、この違いが生じています。