天地人研究所 株式会社
天と地とその中にすむ人 ―― 天地人 ―― あめつちひと
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中学〈理科〉の移行措置 ―― 2009年度(平成21年度)
文部科学省が2008年(平成20年)3月28日に告示した「中学校学習指導要領」第2章第4節〈理科〉および6月13日に告示した移行措置(学習内容や授業時間数)の中学〈理科〉部分などをもとにすると、2009年度(平成21年度)の移行措置は次のようになります。
■ 中学1年 ―― 2009年度(平成21年度)の移行措置
- 旧指導要領の中学1年での学習内容に対して、
- 物理の領域
-
【力と圧力】で、「力の大きさとばねの伸びの関係」「質量と重さの違い」「水の圧力」「浮力」を追加する。――「力の大きさとばねの伸びの関係」では、グラフの書き方や読み取り方も学びます。
「力がつり合う条件」を削除する。――これは中学3年で「力の合成と分解」まで深めて学ぶようになります。
- 化学の領域
-
【物質のすがた】で、「代表的なプラスチックの性質」「密度の計算」を追加する。――代表的なプラスチックは、ポリエチレンやPETなどです。旧指導要領では、密度の概念をあつかうだけで、計算して求めることまではしていませんでした。
【水溶液】で、「物質の溶解の粒子モデル」「質量パーセント濃度」を追加する。――「物質が極めて小さい粒の集まりであること(粒子モデル)」の初出が、中学2年から1年へ降ります。
【状態変化】で、「物質の状態変化の粒子モデル」「粒子の熱運動」を追加する。
「酸とアルカリ」「中和と塩」を削除する。――これらは中学3年で、イオンの理解に基づいて、より深く学ぶようになります。
- 生物の領域
-
【植物のなかま】で、「種子をつくらない植物のなかま」を追加する。――具体的には、「シダ植物やコケ植物があること」「それらは胞子をつくること」です。
削除はなし。
- 地学の領域
-
【火山と地震】で、「火山岩と深成岩の代表的なもの」を何種類か追加する。――「火山岩と深成岩はそれぞれ1種類のみ」とする歯止めがなくなりました。
【地層の重なりと過去のようす】で、「断層」「しゅう曲」を追加する。――この2つは、大地が目覚ましく変動することの代表例です。
削除はなし。
これを新指導要領と比較すると、「溶解度曲線」だけが追加されずに軽減されています。
授業時間数は、週3コマ(旧指導要領と同じ)です。
■ 中学2年 ―― 2009年度(平成21年度)の移行措置
なし。 (旧指導要領のままで、追加も削除もありません。)
■ 中学3年 ―― 2009年度(平成21年度)の移行措置
- 旧指導要領の中学3年での学習内容に対して、
- 物理の領域
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【力学的エネルギー】で、「仕事」「仕事率」「仕事の原理」「物体のもつエネルギーの大小は、それが(衝突して)他の物体にする仕事の大小ではかられること」を追加する。
削除はなし。
- 化学の領域
-
【水溶液とイオン】で、「水溶液には、電流が流れるものと流れないものがあること」「原子のつくり――電子と原子核(陽子・中性子)」「イオンのでき方」「イオン式」「化学電池の電極で起こる反応」を追加する。
削除はなし。
- 生物の領域
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【遺伝の規則性と遺伝子】で、「優性の法則」「分離の法則」「遺伝子の正体がDNAという物質であること」「遺伝子が変化すると形質が変化すること」を追加する。
削除はなし。
- 地学の領域
-
【太陽系と恒星】で、「月の公転と見え方」「日食・月食」を追加する。
削除はなし。
「原子のつくり――電子と原子核」の学習にあたっては、この年度の中学3年生は「電子」を中学2年時に学んでいないため、特段の配慮が必要です。
授業時間数は、週3コマ(旧指導要領より0.7コマ増)です。
■ 教科書の補充資料 ―― 2009年度(平成21年度)
2009(平成21)年4月時点では、新指導要領に対応した新しい教科書はまだできていないので、生徒は旧教科書を持っています。追加事項は旧教科書には載っていない(載っていても「発展」あつかい)ため、欠落を補充する資料が作成され、生徒全員に配布されます。
常在成長(じょうざいせいちょう) ―― いつでもどこでも成長できる