天地人研究所 株式会社
天と地とその中にすむ人 ―― 天地人 ―― あめつちひと
―― 実生活のいろいろなところに成長のきっかけがある ――
中学〈理科〉の移行措置(案) ―― 2011年度(平成23年度)
文部科学省が2008年(平成20年)3月28日に告示した「中学校学習指導要領」第2章第4節〈理科〉および同年4月24日に公表した移行措置の案(学習内容の案や授業時間数の案)中学〈理科〉部分をもとにすると、2011年度(平成23年度)の移行措置は次のようになります。
■ 中学1年 ―― 2011年度(平成23年度)の移行措置
前年と、従って前々年と同じです。
■ 中学2年 ―― 2011年度(平成23年度)の移行措置
前年と同じです。
■ 中学3年 ―― 2011年度(平成23年度)の移行措置
- 前年(前々年)の中学3年での学習内容に対して、
- 物理の領域
-
【運動の規則性】で、「力がつり合う条件」「力の合成と分解」を追加する。――「力がつり合う条件」は中学1年で学んでいましたが、ここに移し、「力の合成と分解」まで深めます。
【力学的エネルギー】では、「位置エネルギーと運動エネルギーが互いに移りかわること(力学的エネルギーの保存)」までをあつかう。――これまでは「電気・熱・光など他の様々なエネルギーの移りかわり」もここで一緒にあつかっていましたが、この年度からは、「科学技術と人間」の領域に場所をかえ、「熱の伝わり方」「エネルギーを変換して利用するときの効率」とともに学ぶようになります。
削除はなし。
- 化学の領域
-
【水溶液とイオン】で、「代表的な電池」を追加する。
【酸・アルカリとイオン】で、「酸と水素イオン」「アルカリと水酸化物イオン」「pH」「中和反応で水と塩ができること」「水に溶ける塩と溶けない塩」を追加する。――「酸とアルカリ」「中和と塩」は中学1年で簡単に学んでいましたが、ここに移し、イオンと関連させて深く学びます。
「酸化と還元」「化学変化にともなう熱の出入り」を削除する。――これらは中学2年時に学習ずみです。
- 科学技術と人間の領域
-
【エネルギー】で、「熱の伝わり方」「エネルギーを変換して利用するときの効率」「放射線の性質と利用」を追加する。――前二者は、「様々なエネルギーの移りかわり」の文脈の中で学びます。
削除はなし。
- 生物の領域
-
追加はなし。
「生物の体は細胞からできていること」「植物細胞と動物細胞のつくり」を削除する。――これらは中学2年時に学習ずみです。
- 地学の領域
-
追加も削除もなし。
- 自然と人間の領域
-
【自然の恵みと災害】で、「地球規模でのプレートの動き」を追加する。
削除はなし。
- 理科学習の総まとめ
-
【自然環境の保全と科学技術の利用】で、「持続可能な社会をつくることの大切さ」を追加する。
これを新指導要領と比較すると、次の学習内容が追加されずに軽減されています;「自由落下」「太陽系に惑星以外の天体が存在すること」「銀河系」「地球の温暖化」「外来種」。
授業時間数は、週4コマ(前年・前々年より1コマ増、旧指導要領より1.7コマ増)です。
■ 教科書の問題点 ―― 2011年度(平成23年度)
2011(平成23)年4月時点では、新指導要領に対応した新しい教科書はまだできていないので、生徒は旧教科書を持っています。追加事項は旧教科書には載っていない(載っていても「発展」あつかいである)ため、欠落を補充する資料が作成され、生徒全員に配布されます。
常在成長(じょうざいせいちょう) ―― いつでもどこでも成長できる