文部科学省は、2008年(平成20年)6月13日に移行措置(学習内容や授業時間数)を告示しました。
以下では、移行措置の小学〈理科〉部分について、内容を分析し、わかりやすく整理します。
この移行措置は、次のような基本方針でつくられています。
「可能な範囲で最大限に」という制限を設けざるを得ないのは、新指導要領〈そのまま〉を2009年度(平成21年度)からいきなり適用すると、学習の欠落や重複、授業時間数の不足が起こるからです。
そこで、
●学習の欠落を回避するための2009年度(平成21年度)の特例措置;
小学5年……「天気によって1日の気温の変化がちがう」(新指の小4内容)を削除しない。
小学6年……「電磁石」(新指の小5内容)を削除しない。
●学習の重複を回避するための2009年度(平成21年度)の特例措置;
小学6年……「てんびんとてこ」(旧指の小5内容、新指の小6内容)を追加しない。
この2つの基本方針により、各年度に適用される指導要領の新旧別は、次のようになります。
小学3年 | 小学4年 | 小学5年 | 小学6年 | |
---|---|---|---|---|
2009年度(平成21年度) | 新 (週2.6) | 新 (週3) | ほぼ新 (週3) | ほぼ新 (週3) |
2010年度(平成22年度) | 新 (週2.6) | 新 (週3) | 新 (週3) | 新 (週3) |
( )内は授業時間数=コマ数。
2009年度(平成21年度)の小5と小6は、授業時間数を新指導要領と同じにまでふやしても、「新」ではなく「ほぼ新」とならざるを得ません。それは、新指導要領で下の学年に降りる内容(小5では「天気によって1日の気温の変化がちがう」、小6では「電磁石」)をやりつつ、新しい学習内容を全部一気に追加するには、なお授業時間数が不足するからです。
移行措置の内容を年度ごと・学年ごとに具体的に示すと、次のようになります。
授業時間数が小3は年20コマ、小4は年15コマ、小5と小6は年10コマふえます。
授業時間数は前年度と同じです。
なお、新たに追加される内容は教科書に載っていないため、補充資料が作られ、児童全員に配布されます。