天地人研究所 株式会社

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学習指導要領の改定と学習評価の観点の変更――理科

文部科学省は「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答申)」の144ページで、「学習評価の改善」という見出しのもとに、

評価の観点……(中略)……について、……(中略)……より一層簡素で効率的な学習評価が実施できるよう

に検討することを表明しています。
では、どのように変更されるのでしょうか。理科について、まず旧状を確認したあと、変更後の新しい姿を予想してみましょう。

■ 理科の旧観点 ―― 4つ

理科の学習評価の旧観点は、旧指導要領にともなうもので、次の4つです。

学習評価の観点は、子どもの姿を、〈理科〉という1教科丸ごととしてだけでなく、さらに細かく分けてつかむための「目のつけどころ」です。
小学理科の評価教材(テスト)は、多くのものが、1枚ずつ紙面を

  1. 表面・左段 …… 「知識・理解」の問題
  2. 表面・右段 …… 「観察・実験の技能・表現」の問題
  3. 裏面・上段 …… 「科学的な思考」の問題
  4. 裏面・下段 …… 「関心・意欲・態度」の問題

というように4分割し、1〜3にそれぞれ50点満点の配点をつけるような構成になっています。
この構成は、評価する側(教員)にとっては好都合です。しかし、評価される側(子ども)にとっては、学習評価の観点に合わせて無理やりに作られた問題を解かされることになり、迷惑だと考えられます。

4つの観点の名称は確定していますが、それぞれの観点の内容については、人により、学校により、多少のゆれがあります。――ゆれがあることは、学習評価の観点をよりいっそう学校現場の実状に合ったものにするために、いいことだと考えられます。

■ 理科の新観点の予想 ―― 3つ

上の4つが1つへらされ、新指導要領にともなう新観点は、次の3つになると予想されます。

この新観点の方が、すっきりして分かりやすく、使いやすいと思われます。

学習評価の観点は、いつ変更されるのでしょうか。
最もありそうなのは、新指導要領が完全に実施されるのと同時(小学校は2011年度=平成23年度から、中学校は2012年度=平成24年度から)の変更です。
しかし、変更の内容が「簡素化」であり、変更の目的が教員の事務負担を軽減して「子どもたちと向き合う時間を確保する」ことにある点を考慮すると、前だおしして、移行措置の期間中に変更が行われる可能性もなしとしません。


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